DOMAINE DUJAC ドメーヌ・デュジャック
Domaine Dujac ドメーヌ・デュジャック/クロ・ラ・ロシュ
ピノ・ノワールに精通していれば、この造り手を挙げないはずはない。
Jacques Seysses ジャック・セイス。
モレ・サン・ドニのグライエを買収した1968年の創業以来、僅か50年弱でその名を不動のものとした。
数百年と続くブルゴーニュのドメーヌの中、パリ出身の部外者の彼だからこそ、
当時では躊躇されていた「ノンフィルター」と「ノンファイニング」を取り入れたのであろう。
グラン・クリュ、1.95ヘクタールの ドメーヌ・デュジャック「Clos de la Roche クロ・ド・ラ・ロシュ」。
グラスにそそぎ始めた瞬間から香りが立ち込め、フランボワーズが現れる。
そして遠い昔に遠足で行ったスミレ畑で寝転んだあの時を蘇らせてくれる。
舌触りはビロードで、凝縮されてはいるが決して濃くはない繊細な果実味。
香りは様々に変化しトリュフや松茸を思わせ、一種官能的な何とも表現しがたい素晴らしいものへと変わる。
ジャック・セイスは Morey-Saint-Denis モレ・サン・ドニを世界のスターワインに伸し上げたが、
私はこの1991年以前の書き落とした "de" 「Clos la Roche クロ・ラ・ロシュ」が忘れられない。
イレギュラーなこと。
時計然り、趣味の世界では強い愛着が湧き始める。
また、
人も欠けているところが見えたときから、身近に感じ親しくなるものである。
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